私の声を聞いて、
彼は本当に嬉しそうに
微笑んだ。
何故…
私には理解できなかった。
「嗚呼、嬉しいなぁ。
俺ね、名前を呼んでもらうの、
ずっと楽しみだったんだ。
ユアちゃんの声、聞いたこと無かったからさ!」
疑問は更に深くなるばかり。
尋ねようとしたところで、
フェイクが私をじっと見る。
「相変わらず可愛いしね。
その髪型、とっても似合ってるよ。
このまま連れ去っちゃいたいくらいね」
そう言うと、
片目を瞑って、私にウインクした。
まるで、人間のようで…
否、それは人間そのもので、
私は、分からなかった。
彼が、人間なのか、
人間ではないモノなのか。
「おっと。
そろそろ用件を伝えないとね。
人が着たら困るのはユアちゃんだし…。
まぁ、これから起こることは止められないけど」
声を急に低くして、
呟くように言うと、フェイクは
再びにっこりと微笑んで私を見た。
しかし、その瞳は、
先ほどとは違って、冷たい。
彼はゆっくりと口を開いた。

