心 ―ハジマリノウタ―





私は、何も言わず、ただ彼を見つめた。


恐れは、無かった。


何故なら、彼が私たちに

攻撃しているのを見たことはないから。


イレは、そう彼女は、

リヴィアを傷つけた報いを受けたのだ。


フェイクは、果たして何をしにきたのだろうか?


何か用件でもあるのかと思えば、

私の顔を嬉しそうに眺めているだけなので

私は彼の横を通り抜けようとした。


しかし、そこでようやく彼が口を開いた。




「おーい、行っちゃうの?

折角久しぶりに会えたって言うのに。

せめて、声くらい聞かせてよ」




声?


私の声が、聞きたいというのだろうか。


何故?


彼にとって、私は敵のはずなのに。




「ねぇ、俺の名前、

呼んでよ、ユアちゃん」




紅い瞳は真っ直ぐだった。


何故、彼はこんなにも人間に近いのだろう。


心が、あるから…?




「フェイク…さん。

何故、ここへ?」