心 ―ハジマリノウタ―




暫くして能力者たちは目覚めた。


あの腕や頭だった黒い塊は、

やはり南西か北へ送ることになった。


そして、ロックの行方は…




「私たちは、海についた後、

暫く海岸の砂を押収したり、

辺りの様子を伺っていましたが、

小型のドレイ探知機には

私たちの反応しかなく、

引き返そうとしていました。

しかし、その時…」




任務についていた能力者の一人が

身をぶるっと震わせて、

きつく瞳を閉じた。


別の能力者が言葉を継いで話を続ける。




「急に暗くなったのです。

もう夜も更けた時間帯でしたが

その日は月が明るくて

照明もほとんどいらないくらいだったのですが

急に暗闇に包まれたかと思うと、

何者かに襲われました」



「何者か、とは?」



「暗かったものですから、

あまり姿は見えませんでしたが、

人間のようでした。

ロックは、暗闇に包まれた時、

見えなくなってしまったんです。

我らも互いの姿も見えず、

奴らに、齧られたのです」