心 ―ハジマリノウタ―




私は、扉をくぐった。


変わらぬ、いやそれ以上に酷い。


状況は更に悪化していた。


そこに居たのは、人間ではないように思えた。


新たな手が腹から生えていたり、

足から頭が出ていたり。


そしてそれらは、

動いていた。


つまり、骨の破壊や再生は

新たな身体を

増殖させるための反応だったということ…。


しかし、その新たな部分でさえ、

破壊を繰り返している。


信じられないような、

グロテスクな現状に、

再び目がチカチカしてくる。


しかし、私は目を瞑った。


そして、大きく息を吸い込んで

歌いだした。


心感じるままに。


あの時のように…。


どうか救って欲しい。


彼らは人のために戦ったのだから。


私のこの歌で、どうか。


両手から、光が溢れて、

彼らを包む。


はじめ、まるで抵抗を受けているかのように

弾き返されていた光の粒子が、

段々と彼らの身体を包み込んでいった。