心 ―ハジマリノウタ―





「もう、ユアにあんな事はさせないで」




厳しいリヴィアの声が、

かすかに聞こえた。


私は吐いた後、

疲れきって眠ってしまったのだ。


そのリヴィアに返すのはジグ。




「ああ、分かっておる。

しかし、あの能力者たちは…」



「あれは、常軌を逸してる。

北か南西に送って

調べたほうが良いんじゃないのか」




あの目は、苦しんでいる目だった。


助けを求めていた。


流されたあの紅い涙…


ドレイは涙を流さない。


痛みでも、感情でも、涙を流すのは、人。


あの涙は、人間のものだ。


私は、あの人たちを助けなければならない。


そのための…

そのために、授かった歌声なのだから。


私は冷たい床に足をつけて、

声の聞こえる方へ

ふらふらと歩いた。




「待って、下さい」