心 ―ハジマリノウタ―





「最後に見たときは、

傷口もキレイに消毒され、

致命傷も無かった。

しかし、彼らの意識は無く、

目を覚まさなかったのだ」



「じゃあ、どうして、あんな…」



「ユアの歌を聴けば、

目を覚ますと思ったのだ。

そうすれば、ロックのことも何か分かるかも知れない、と。

だが、ユアが来る前に、

クリスタルの消毒をしておけと命令したのだ」



クリスタルの消毒。


つまり、ドレイの血を浄化しようとした、ということだ。


それで、あんな風に…。




「…うっ」



「ユア!!」




吐いた。


胃の中にあるもの、全て吐き出した。


苦しかった。


逆流してくる胃液に、

思わず涙が出る。


それでも、私は吐き続けた。


あれは、人間なのだろうか?


何か、皮膚の下で蠢くように、

骨は折れては再生し、

血液は吹き出る。


喉もつぶれ、髪もない。


ただ痛みに目を見開き、

焦点の合わない黒目は、定まらない。


白目になったり、血が溜まったり、

私はあの目が、

堪らなく怖かった…。