心 ―ハジマリノウタ―




幾ら扉を叩いても、返事は無い。


それは、分かっていた。


仮説が、真実に変わりかけていた。




「やっぱり、メイは居ないな。

何処へ行ったんだろう」




レイが、ノックを止めて

後ろにいた私たちを振り返った。


私もリヴィアも首を振って、

心当たりが無いことを示す。




「リオでも、見つけられてないんだ。

あたしらが分かるはずない」




諦めたようにフッと息を吐くと、

リヴィアは私、そしてレイの目を

交互に見つめて尋ねた。




「どうする?

メイがいないってことが分かっただけじゃ、

まだ足りない、仮説のままだ。

それに、もし真実だったとしても

今のあたしたちには何もできない」




確かにその通りだ。


真実だろうが、仮説だろうが、

私たちは全く進めていない。


リオを助けるどころか、

何の情報も得られなくなってしまったのだ。




「ここまで分かったのに、

何もしないで終わるなんて、

俺は嫌だね!」