心 ―ハジマリノウタ―




以前、この男に会ったとき、

リオは…。


私が何の反応も示さない事に

イラだったのか、

男は剣幕で再び詰め寄ってきた。




「お前、この俺をまたしても

侮辱するつもりか?

今日はお前を助けてくれる

あの黒髪の坊主もいねぇみてぇだしな?」




助ける…。


やはり、リオは私を助けてくれた。


どうしたらいいのか分からない私を。


リオは、何の見返りも求めず、

私のために。


その彼のために、

私は何ができるだろう?




「そう、ですよね」



「何だと?」



「あの時、リオさんは私を救ってくれたのでしょう?」




私の突然の質問に男は困惑した表情を見せ、

太い眉を寄せた。


そして、頷いた。




「あ、ああ、そうだろうな。

って、オイ!

お前、俺の話を聞いてるのか?」



「では…私はどうしたらいいのでしょうか。

彼のために」