心 ―ハジマリノウタ―




顔立ちなど無かった。


目も鼻も、眉も唇も。


全てが、他人を傷つける武器で

潰れていた。


リヴィアは、自分の目にしたものが

信じられなかった。


恐怖に、

驚愕に、

身体が動かない。


アトネスが、リヴィアの手に触れた。


その手は、まだ温かい。


しかし、力は恐ろしいくらいに強く、

痛みのあまり、

声を上げてしまいそうなほど

アトネスはリヴィアの手を掴んだ。




「あ、アトネス……」




そして、そのままアトネスは

リヴィアを引き寄せた。


2人はまるで額をあわせるように。


アトネスの左目からは、ナイフが。


そして、

それは、

リヴィアの右目に。