心 ―ハジマリノウタ―






「ロックも、聞いたことなかったんだ。

あたしは、今まで

誰にも言ったことはなかった。

皆、不運な事故だって思い込んで、

真相を知っているのは、

あたしと、ジグ、そして師匠だけ」




師匠。


それは、リヴィアの師匠だ。


私は会ったことがないが、

以前リヴィアとジグが、

その人のことを話しているのを

聞いたことがあった。


リヴィアは話を続けた。




「あたしも、もう話す気はなかった。

忘れてしまいたかったけど、

忘れるわけには、いかなかった。

そんな時、ロックがここに来た。

初めて会ったんだよ。

傷の事を尋ねない人にも、

あたしを、心から信頼してくれる人にも。

初めて、言ってもいいかもしれない、

そう思えた」




ユア、アンタもそうだよ。


リヴィアはそう呟くと、

私のほうを向いて、尋ねた。