心 ―ハジマリノウタ―




向かった先は、屋上だった。


ドアを開けた途端、

ヒュウと冷たい風が吹く。


私とリヴィアは、

部屋から持ち出した毛布に包まって

屋上の真ん中で、

何も見えない空を見上げた。


リヴィアは、冷蔵庫から

お酒の缶を持ち出して、

プシュッとプルタブを引っ張った。




「はぁー。

やっぱり寒かったかねぇ?」




私が首を横に振ると、

リヴィアはフッと笑って

再び暗闇を見上げた。




「アンタは、今まで一度も

聞いたことなかったね。

この、右目の事…」




グッと黒い眼帯を引っ張ると、

ハラリと紐は解けて、

掌から零れた。


ここからでは隠れて見えないが、

恐らくそこには、傷があるのだろう。


リヴィアはお酒を一口飲むと、

再び口を開いた。