心 ―ハジマリノウタ―





どこか嬉しそうなロックに連れられて

やってきたのは、

誰かの部屋だった。


ドアを開けながら、

ロックの話を聴いてみると、

どうやらここは、

誰も使っていない部屋らしい。


部屋の中を迷いなく進んで

風呂場へ向かうロック。


一体ここで何をするつもりなのだろうか?




「じゃあ、ユア。

ここに座って、コレを羽織ってて」




適当な椅子を大きな鏡の前に持ってきて、

私に勧めると、

ロックは、コートのようなものを渡した。


言われるままに羽織ると、

ロックは鏡越しに私を見て

悪戯っぽく笑った。




「いやぁ、良かった!

最近忙しくて、

誰も切らせてくれないからさ」




……切る?


尋ねる暇も与えず、

ロックはハサミをどこからか取り出して、

私の髪に刃を当てた。




「え、あの…ロックさん?」


「大丈夫、これでも僕、

けっこうセンスあるから!」



戸惑う私をよそに、

ロックはそのまま私の髪を切り始めた。