心 ―ハジマリノウタ―




その5日後、リヴィアは退院した。


医務室のベッドではなく、

自分の部屋に戻れるのだ。


私が医務室へ行くと、

何時になく沈んだ表情で、

リヴィアは暗闇に塗りつぶされた

窓の外を眺めていた。




「リヴィアさん、

傷はどうですか?」



私の声に、ピクリと肩を揺らすと、

私を振り返る。


その顔は、やはり昨日から強張っている。



「あ、ああ、もう平気だよ。

って、アンタ毎日、

尋ねてるじゃないか」



苦笑のようなものを漏らした彼女は、

ベッドから立ち上がると、

私に言った。




「ユア、迎えに来てくれたとこ

悪いんだけどさ。

今日、少し外に出てくるから。

アンタは自由にしてていいよ」




彼女の美しい隻眼は、

決意を物語っていた。