それから、私は毎日医務室へ通った。
リヴィアは歩けるようになったにしろ、
重傷だったため、
完治したわけではなかったからだ。
歌を歌おうか、と申し出たが、
リヴィアに
「あの歌は悲しい。
だから、この傷は自分で治すよ」
と、そういわれてしまったのだ。
レイもまだ任務に行ったっきり、姿を見ない。
リオに関しては、何の情報も無いままだ。
リオがいない分、
メイの姿もぷっつり見かけなくなった。
私は薄暗い廊下を進みながら考えた。
こんなことは初めてではないだろうか、
やることが無い、などという日々は…。
ここに着たばかりのときは、
リヴィアに連れられ、鍛錬に行っていたが、
能力が分かった今、
その必要も無くなり、その相手もいない。
話す相手もいなければ、
リヴィアに話す内容も無く、
ただ時間が過ぎるだけの毎日だった。
この空虚な感情をリヴィアは、
退屈、と呼び、
そんな私の表情を見て、おかしそうに笑っていた。
目的地に辿り着いた。
軽くノックをすると、中からの返事が無い。
首を傾げて、そっと扉を開けると、
そこにリヴィアの姿は無かった。