心 ―ハジマリノウタ―





「全く、酷い歌だね。

あたしは明るい歌の方が好きだよ」




あの日以来聞いていない声が後ろから聞こえる。


そんなはずは無い、だって……


私は、ゆっくりと後ろを振り返った。


そこにたっていたのは、

顔を歪ませて、立っている

美しいままのリヴィアだった。




「リヴィア…さん?」




唇が震えて上手く話せない。


何故?


今の私には、そんなことどうでも良かった。


溢れるのはそんな思いではない。




「何、その顔は?

おかえりもないのかい?」



「ごめんなさい。

救えなくてごめんなさい。

私は…何もできなくて……」




私の目から、あの日以来流すことは

無かった涙が溢れる。


リヴィアに歩み寄って、

触れようとして手を伸ばした。


そして、途中で止める。


もしかしたら、夢なのかもしれない。


もしかしたら、幻かもしれない。


私が触れたら、リヴィアは、

消えてしまう…?