心 ―ハジマリノウタ―




レイは、私の様子を見て、

夜の街を見つめた。


心の中で、レイに頭を下げる。


心配してくれるのだろうけれど、

今は……。


レイのガントレットをはめた手に、

長く深い傷があるのを見た。


私の歌に治癒能力があるのならば、

直せるだろう。


私が望めば…。


私は、レイの手をとった。


レイはどぎまぎしていた。




「えっちょ、ユア?

ど、どどどうしたの!?」



私は、彼の傷が治るように、

と願って、歌を再開した。


私の歌に、能力が宿っているのならば、

治してあげて欲しい。


少しでも、皆が楽になるように。


そして、次の瞬間、私の手が光を放った。


それは、強い光で、レイの手を包む。


そして、私の手から、次々に溢れ

どこかへ飛んでゆく。


行き先は分からず、その正体も分からなかった。




「ユア!治癒能力、あるんだよ!

ここに傷があったろ?

でも、直ってる!!」




レイが興奮して、言った。


確かに、あの傷が消えている。


ならば…治癒能力があったのに、

私はリヴィアを救えなかったのだ。