心 ―ハジマリノウタ―






「では、ドレスを脱ぎ、

ベッドに入り給え」




主はそのままニヤニヤ笑い、

私の反応をうかがっていた。


私は答える。




「申し訳ありません。

私はこのようなドレスを着たことが無く、

脱ぎ方を知りません」




殴られるかもしれない。


蹴られるかもしれない。


だが、事実は変えることはできない。


しかし私の予想は外れた。


主は、殴りも蹴りも、

嫌な顔すらしなかった。


その代わりに、再び愉快そうに笑った。




「おお、そうか、そうか。

そうだったな。

よろしい。

この手で脱がせるのも悪くはあるまい。


では、奴隷よ。

後ろを向き給え」




私は抵抗もなく、

主に背を向けた。


生暖かい指が首筋から髪を払い、

ドレスの紐を軽く引っ張った。