心 ―ハジマリノウタ―





ん?と言って、答えを求めるように

私を見る男。


私が何も言わないでいると、

再び後ろからドアの開く音が聞こえてきた。




「ユア?!」




振り返ると、そこに居たのはリヴィアだった。


金色の美しい長髪は乱れ、

怪我はしていないものの、

服は破けているし、

焦げ臭いにおいもした。


リヴィアは私を見つけると、

こちらへ駆け寄ってきた。




「ああ、無事だったんだね」




そう言って、私の肩に手を置いた。


しかし、再び後ろから声がした。


あの男のものだ。




「そうそう。

イレ、迎えに着てあげてよ。

俺じゃ運べないからさ。

ああ、頼んだよ!

それじゃあ、俺はもう帰るかな。

じゃあ、またね、お姫様?」




男はそう言うと、

手すりに軽く飛んで、バランスよく立つと、

そのまま下へ飛び降りて姿を消した。