心 ―ハジマリノウタ―




やっと辿りついた屋上。


私は重い鉄のドアをあけた。


空は蒼く澄んで、雲が一つもない。


ビュウと強く風が吹いて、

私の長い髪をなびかせた。


屋上から見る街は、いつも賑わっていた。


空に向かって幾つも伸びているビル。


連なって立ち並ぶ家々。


しかし、今溢れているのは、ドレイだ。


風に乗って聞こえてくる怒号、

少しの囁き、

そして、ぶつかり合う音。


ドレイがやってくる音だ。


私はしばらくその光景を眺めていた。


と、その時私の後ろで、

扉が開く音がした。


私は髪を押さえて振り返った。


目に入ったのは、

身体の至る所から

武器を突き出しているその姿。


ドレイだ。


ドレイは、手から突き出ている銃口を私へ向けた。


そう離れている距離でもない。


撃てば確実に当たるだろう。


私は逃げなかった。


逃げようともせず、

逃げようとも思わなかった。


ただ、受け入れるように目を瞑った。