心 ―ハジマリノウタ―




その銃声を合図に、

扉から奴隷がなだれ込んで来た。


階段から、能力者も降りてくる。


あっという間に、玄関は戦場と化した。


その戦禍の只中に居るリヴィアが

私に叫んだ。




「ユア、アンタはロックかジグの所へ!」




行け、という意味だろう。


私は戦うすべが無いのだから。


私は、2人を探して、階段へ向かった。


降りてくる人の波に抗って上を目指す。


そして、その人々の中にロックを見つけた。


走り回ったのか、もともとボサボサの

ブラウンがかった黒髪が

更に乱れている。


しかし、その時、誰かが私の肩を掴んだ。


振り返ると、そこには、

息を切らせたジグの姿が在った。




「ユア、お前は屋上へ行け。

戦いは下で食い止める!!」




そう怒鳴るようにいうと、

ジグはそのまま人波に姿を消した。


屋上…。


私は、階段をあがり始めた。


下では既に戦闘が始まっている。


リヴィアが放っているであろう銃声、

キィンと響く金属音、

うめき声、叫び声……


そんなものが溢れかえるフロアを後に

私は屋上を目指して、階段をあがった。