心 ―ハジマリノウタ―






「リヴィアにユア。

支度が早いんだね」




リビングに着くとそこに人気は無く、

いたのはロックだけだった。


ソファに座りながら、

私たちに笑いかけた彼も、

どこか元気が無いようだ。




「ああ、あたしらは荷物が少ないからね。

ロック、アンタの支度は済んだのかい?」



「ああ、まあね。

もう大切なものはダイガのところへ送ったよ」




疲れたような表情の彼に、

リヴィアは眉をひそめて尋ねた。




「ロック、何故戦わない?」



「その理由は言ったはずだよ」



「援軍を頼まない理由は?」




リヴィアが更に問い詰めると、

ため息を吐いてロックは

そばに立っているリヴィアを見上げた。


リヴィアのエメラルドの瞳も

ロックのブラウンの瞳を見つめている。


私はその隣で、

何も言わずにその会話を聞いていた。




「聞きたいことは分かってるよ。

でも、僕はそれだけは信じない」



「尋ねてるのは、そんなことじゃない」



「はあ…ジグだよ。

ジグが撤退を提案したんだ。

議会も犠牲が無くて済む方がいいと賛成した。

満足かい、リヴィア?」