心 ―ハジマリノウタ―





「おい、やめろよ!」




リオが私に詰め寄ろうとした

男の前に立ちはだかる。


男は興奮して、息が荒く、

構うことなくリオにも詰め寄った。




「何だ、お前は!

悔しくないのか?

そんな新入りの小娘のせいで、

俺たちは家を追われ、ドレイに負けるんだぞ!?

それに、辻褄があいすぎるじゃないか!」


「悔しいさ!

でも、それはユアのせいじゃないし、

彼女は奴らの仲間なんかじゃない。

逃げるのは、僕たちに力が無いからだ!

逆恨みもいいところだろ。

それに、その考えは議会のものだ。

アンタは、議会にたて突くって言うのか」




穏やかなリオが、

怒ったように口調を強くして男を睨みかえした。


男はリオの言い分に、言葉を詰まらせると、

私をもう一度睨んで、去っていった。




「大丈夫でしたか?」




男の姿が見えなくなると、

リオが私を振り返って尋ねた。


私は頷いて、頭を下げた。




「はい。

ありがとうございます」


「いえ、アナタは…

ユアは、何も悪くないから」



リオはそう言って、

照れくさそうに笑った。