心 ―ハジマリノウタ―





人のために動く。


その意味がよく分からなかった。


私は、命令で動く。


それは、奴隷ならば当たり前のことだった。


嗚呼、でも何時か、

クリスタルは言っていた。


私は、もう奴隷ではないのだ、と。


ならば、私は、もう命令に従う必要も

命令か確認する必要も無いということ?


だとしたら、私は何に従って動けばいい?


人のために、とはどういう意味?


リヴィアやレイやロック…


彼らは私に何を与えてくれただろう?


寝る場所?食事?知識?


本当に、それだけ?




「ハア。

少し出てくるわ」




リヴィアは苛立たしげにため息を吐いて

部屋を出て行った。


残された私は、ただそこに立っているだけで、

何の答えも出すことができないまま。


リヴィアがその夜、

帰ってくることは無かった。