心 ―ハジマリノウタ―




私がお風呂から出てきたとき、

リヴィアはテーブルに

突っ伏して寝ていた。




「リヴィアさん…?」




声をかけるが、起きる様子は無い。


近付いてみると、

頬に涙の筋がついている。


そして、もう一筋、涙が流れる。


私には無い感情を持っている。


涙は、私は流せない。


感情で流れることは無いし、

悲しみも喜びも感じない。


そして、そのことに何も感じない。


私はそっと、手を伸ばして

その涙に触れた。


リヴィアの頬は温かかった。


触れた涙も、温かかった。


すると、リヴィアが動いて

目を覚ました。




「あ…、ユア?

出たんだね」




私は頷いた。


リヴィアは大きな欠伸をして、

椅子から立ち上がった。




「それじゃ、あたしも入ってくるわ。

アンタは、寝てていいからね」