心 ―ハジマリノウタ―





リヴィアの部屋へ戻ると、

まだ彼女の姿は無かった。


部屋は暗く、

明かりは蝋燭の小さな炎だけ。


炎の揺れを追うように影が揺らめく。


私はとりあえず、椅子に座った。


窓の外は相変わらず、

暗闇が広がっているだけ。


ただ一人でそこへ追い込まれても

恐怖を感じることは無い。


唯一感じるのは、虚しさ。


私の心にはいつも、絶え間なく

虚しい、

虚しい、

虚しい、

と言う言葉が反響している。


何も無い。


人の心がある場所に私は穴が開いているよう。


そう。


私には何もないのだ。


どれくらいそうしていただろう?


随分長い間暗闇を眺めていた。


外は相変わらず暗く、何も姿を現さない。


私は本棚に目を向けた。


分厚い本が隙間なく並べられている。


私は立ち上がってガラス戸をあけた。