…広い。


そして凄い人。





ずっと田舎に住んでいたあたしにとって、東京は驚きの連続だった。



まず東京駅で驚いた。

こんなに沢山の電車が短時間に行き交っている。

あたしの住んでいる所では電車は一時間に一本しか通っていないし、だいたいこんなに人がいない。





ふらふらになりながら、どうにか目的のビルに着いた。


あたし、こんなんで留学なんて出来るんだろうか…。




でも、そんな考えは留学の説明を受けて吹き飛んだ。

荘厳とした建物、広い講堂、綺麗な寮。



凄い、あたしここに行くんだ…。



食い入るようにモニターを見つめ、説明を聞いていたものだから、説明が終わる頃にはもうへとへとだった。



しかし、期待に胸は膨らみ(いや、実際にあたしは胸は大きいんだけど)、気分は高揚していて、この気持ちを早く誰かに伝えたいと思い出口に急いだ。



それがいけなかったのか、曲がり角で反対からくる人に気付かなかったあたしは、見事にその人とぶつかり尻餅をついてしまった。



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