手をふりながらこっちへやってくる彼。 「有也…」 小さな声で呟いたアタシに、健ちゃんが アタシにだけ聞こえる声で言う。 「小島と約束ってのはウソで、本当は彼と待ち合わせしてたんだろ?そうかー、美緒ちゃんも敦のことはふっきれたかぁ。」 「ちがっ!有也は全然そんなんじゃないしっ!!」 慌てて否定したアタシに、ますます怪しむ健ちゃん。 「いいって、そんな言い訳しなくても。じゃあな。」 そう言うと去っていっちゃった。 …いいの? アタシに男がいても、健ちゃんは何ともないの?