君がいってしまった冬が終わりを告げて


君のいない春が来た。




いぶき

見えるかい


僕の前に広がるこの景色が。


君の夢見たすべてが。






いぶき、

僕を愚かだと叱ってくれ


この麗らかな春に包まれてなお


とめどなく溢れる思い出に足をとられ


君を手放せずにいる






この僕を。











       了