ナハトとアキラは自動二輪で地上を、俺とアイシャは風の魔法で空を。
全速力で封印の地へと向かう。
それを阻むかのように吹き荒れる突風。
ただの風ではない。
風に悪意のようなものを感じる。
淀んだ空気というか、濁った気流というか。
ドーラ地域で見られるような汚染された空気とは訳が違う。
肉体的にではなく、精神的に干渉されるような汚染。
真に邪悪な者がこの世界に姿を現すというのは、こういった影響をもたらすものなのか。
「見て、ヴァン」
飛翔しながらアイシャが眼下を見やる。
草原のところどころに、黒いローブを纏った男達が倒れている。
目玉をひん剥き、言葉に表せないような恐ろしいものを見たかのような、苦悶の表情で絶命している。
恐らくは秘密結社の魔法の使い手。
封印破りを得意とする、今回の騒動の実行犯だ。
そして彼らは直接、封印から這い出してきた魔王の『悪意』を浴びた。
この世の全ての悪を具現化させた邪悪の権化。
その悪意を、ただの人間の身で浴びたのだ。
精神が保てる筈はなかった。
全速力で封印の地へと向かう。
それを阻むかのように吹き荒れる突風。
ただの風ではない。
風に悪意のようなものを感じる。
淀んだ空気というか、濁った気流というか。
ドーラ地域で見られるような汚染された空気とは訳が違う。
肉体的にではなく、精神的に干渉されるような汚染。
真に邪悪な者がこの世界に姿を現すというのは、こういった影響をもたらすものなのか。
「見て、ヴァン」
飛翔しながらアイシャが眼下を見やる。
草原のところどころに、黒いローブを纏った男達が倒れている。
目玉をひん剥き、言葉に表せないような恐ろしいものを見たかのような、苦悶の表情で絶命している。
恐らくは秘密結社の魔法の使い手。
封印破りを得意とする、今回の騒動の実行犯だ。
そして彼らは直接、封印から這い出してきた魔王の『悪意』を浴びた。
この世の全ての悪を具現化させた邪悪の権化。
その悪意を、ただの人間の身で浴びたのだ。
精神が保てる筈はなかった。


