しょうがい

ある日、そんな暇に飽きてきたのか、学校からの帰り道、翔が僕に話しかけてきた。

「なあ大地、今日何か予定ある?」

急な彼の質問に、僕は多少たじろぎながらも愛想よい返事をした。

「ああ、今日は暇だよ。それがどうかしたのかい」

「今日は暇?いつも暇だろう、俺達はさ。まあ、そんなことはどうでもいい。予定がないのなら、ちょっと付き合ってくれないか」

彼がこんな風に僕を何かに誘うのは珍しいことだった。彼は学校が終わるといつもバイトか、もしくは自慢の彼女とデートかであったからである。そんな付き合いの悪い彼が、僕を何かに誘おうというのだから、僕はその内容に期待に胸膨らませていた。

「もちろん、付き合うのは構わないよ。それよりもまずは行き先を教えてほしいな。一体僕をどこに連れていくつもりなんだい」

「ああ、そうだな。これを見てくれよ、大地」

彼はそう言うと、ポケットから携帯電話を取り出した。僕は一瞬、彼が恋人とのメールを自慢するために携帯電話を取り出したのかと思ったが、どうやら違うらしい。

彼は携帯電話のデータフォルダを開いた。その中には着うたやら、動画やらがあったが、彼は一枚の画像をピックアップして僕に見せた。