しょうがい

あいつの名前は江口洋介。とはいっても当然のことながら「あの江口洋介」ではない。僕のクラスメートの江口洋介は、かの有名な江口洋介ほどかっこよくはないし、別に演劇部に所属して役者をやってるわけでもない。所詮はただの同姓同名だ。でも、それにより彼はこれまでの人生、いろいろと(同姓同名により生じる)苦労をしてきたようである。さらに言うならば、彼はなかなかの秀才で、定期テストでは常に上位をキープしている。ちなみに僕や翔はいたって平均的な成績なのだが、今はそんなこと関係ない。

そんな秀才、江口洋介にはある特殊な能力が備わっているらしい。これはかねてからクラス内で噂されていることであり、そのことが真実であるかどうかは分からない。しかしながら、やはり彼が秀才であるがゆえか、皆は多少なりともその特殊な能力を信じずにはえられない状態にあるのだ。そしてその能力こそがこの「廃墟の霊」の一件に対し、僕らと彼の関連性を呼ぶのであった。

ずいぶんと遠回りな語りになってしまったため、ここからはなるべくスバっと簡潔な説明を心掛けよう。

つまり彼の特殊な能力というのが、いわゆる「霊能力」のことなのである。江口洋介は頭が良い上、霊能力者でもあるのだ。そんな彼を尊敬すべきかどうかは戸惑うところだが……