何回調べてみても、僕と家族との最短距離が縮まることはなかった。僕と家族との最短距離は1メートル9センチ、どんなに近寄ることがあっても僕ら親子はそれ以上近寄ることがなかったのだ。
ここで勘違い防止のために述べさせてもらうが、1メートル9センチの壁があるのは、あくまで僕と親との間のみである。つまり、父と母の仲が悪いというわけではない。いや、むしろ夫婦間の仲は一般的な家庭よりも良好であったと思われる。
話に戻ろう。それからというもの、僕は毎日のようにメジャーで距離を計り続けたわけではない。しかしながら、食事をする時も僕と家族との距離は1メートル9センチ、何かの拍子ですれ違うことがあっても1メートル9センチによって、僕と家族は隔たれていた。そのように思っていた。
そんなことがキッカケで、僕にとって学生時代の家というものは、実に気まずく、自分の中で最も居づらい場所でさえあった。だから僕はなるべく家に帰らないようにし、高校生にもなると毎日のように夜中に帰宅した。
当然のことながら、そんな夜遊びも度を過ぎてくると、父または母から注意を受けることもあった。だが例の如く、そこには1メートル9センチの隔たりがあって、僕はそれにしか目がいかなかったのだ。僕はそんな注意になど耳もかさず、翌日にはさらに遅い時間に帰宅する始末であった。
ここで勘違い防止のために述べさせてもらうが、1メートル9センチの壁があるのは、あくまで僕と親との間のみである。つまり、父と母の仲が悪いというわけではない。いや、むしろ夫婦間の仲は一般的な家庭よりも良好であったと思われる。
話に戻ろう。それからというもの、僕は毎日のようにメジャーで距離を計り続けたわけではない。しかしながら、食事をする時も僕と家族との距離は1メートル9センチ、何かの拍子ですれ違うことがあっても1メートル9センチによって、僕と家族は隔たれていた。そのように思っていた。
そんなことがキッカケで、僕にとって学生時代の家というものは、実に気まずく、自分の中で最も居づらい場所でさえあった。だから僕はなるべく家に帰らないようにし、高校生にもなると毎日のように夜中に帰宅した。
当然のことながら、そんな夜遊びも度を過ぎてくると、父または母から注意を受けることもあった。だが例の如く、そこには1メートル9センチの隔たりがあって、僕はそれにしか目がいかなかったのだ。僕はそんな注意になど耳もかさず、翌日にはさらに遅い時間に帰宅する始末であった。
