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体育のバスケを終え、体操服から着替えている時だった。

「レーナっ」

と、ほたるが思いきり肩を叩いてきた。

振り返ると、やけにニコニコ喜ばしげな顔をしている。

「レナぁ、見てたよぉ、試合。いいシュートだったな」

「そりゃあね。私ですから」

「……ってことは、さ、もう手首……」

「……うん。まだバンドは外せないけどね」

ほたるが「そっか」と短く頷く。

その時の笑顔は、まるで、冬を乗り越えて開いた、野花のようだった。

ああ忘れていた。

親友の笑顔は、こんなに晴れやかだったってこと。