「無駄だった。二、三人なら何とか突破出来たけど。四人掛かりは流石に難しくてね。
暴れてまた逃げようとするけど、殴られ気付けば独房の中。
ナイフなんかを盗み出してみたけど、抗争中に取られて切られる始末。
しかも、もみ合って偶然に腹を切られちゃったから運がない。
そんなことを繰り返している内に、こんな体。
彩芭が好きだと言った体を傷付けられてさ、脱獄するっていう目的そっちのけで警官にたてついたよ。
最後には独房に戻されちゃうけどね」
「…………」
思考が停止した
同情という感情なんかどこかに飛ぶ
自業自得だろうと、怒りを通り越して呆れてきた
それをやっていれば、そんな体になるのは当たり前だ
それを勲章と――警官を一人ボコボコにした証と言うなんて
大変だったろうに、彼が入った刑務所の人たちは
目も付けられる筈だ
厄介すぎて手に負えない
刑務所にライオンでも入れてるよう
本能のままに行動し、邪魔する相手を餌食にするんだから


