(四)
時刻は、九時を過ぎたところ
食器も片付け、普通ならまったりとくつろげる時間に
「っ、この……!」
私は、必死だった
逃げられるチャンスが出来たのだ
彼は今、近くにいない
風呂に入る、と妙に現実的な理由で私にチャンスが訪れたのに
彼には、抜け目がなかった
「外れろ……!」
ガチャガチャと、私が逃げることを阻むそれと格闘する
片手に、手錠を掛けられていた
手錠というのはワッカが二つあり、頑丈
犯人がその場から逃げられないようにする方法
タンスの金具に、もう片方を掛けられた
よって、私は逃げられない
まさか、手錠を付ける日が来ようとは思わなかった


