強くはない掴み
振り払えば、簡単にほどけるこの手に
怖(つよ)さを感じた
「彩芭は、ずっと俺と一緒にいるんだ。
いなきゃいけない。離れてはいけない。傍にいるんだ。
そして。――俺も絶対に、彩芭から離れないから」
「ぁ……」
息が止まるような恐怖
笑う悪魔が、私を見る
彼から離れてはいけない
そんな言葉は暗示めいて、私の行く意志というのに歯止めをする
怖くて逃げたくとも、『怖いから』逃げられない
矛盾しすぎた沼底にはまったよう
――ああ、どちらにしても
彼は、私から離れてはくれなかった
逃げられない、逃してはくれない
彼は必ず、私の傍に、隣に、そこに――!
「藤堂さん」
「――っ!」
錯乱する頭に、低く渋い声が入った
振り払えば、簡単にほどけるこの手に
怖(つよ)さを感じた
「彩芭は、ずっと俺と一緒にいるんだ。
いなきゃいけない。離れてはいけない。傍にいるんだ。
そして。――俺も絶対に、彩芭から離れないから」
「ぁ……」
息が止まるような恐怖
笑う悪魔が、私を見る
彼から離れてはいけない
そんな言葉は暗示めいて、私の行く意志というのに歯止めをする
怖くて逃げたくとも、『怖いから』逃げられない
矛盾しすぎた沼底にはまったよう
――ああ、どちらにしても
彼は、私から離れてはくれなかった
逃げられない、逃してはくれない
彼は必ず、私の傍に、隣に、そこに――!
「藤堂さん」
「――っ!」
錯乱する頭に、低く渋い声が入った


