ヤンデレ彼氏に監禁されて

「彩芭……」


媚薬めいた、甘い声


あらぬ方に行く両手
ただ、首あたりを貪る口


荒いくせに、どこか丁寧だ


密着していたせいか、彼の心音が聞こえる

太鼓のよう鳴るそれを持つのに、彼は至って冷静に見えた


機械めいた頭だろうとも、体は正常に機能している為、彼の一動作で、私は喘ぐ


泣いていた名残――しゃくりをあげながら、息を零す


自分の声じゃない

こんな声は知らない


――筈なのに、ひどく懐かしい


今を見ながら、過去を顧みる


すがった私、求めた私

醜くも、淫らな姿が思い出にあった


今は、真逆だというのに

求めてやしないし、縋りもしない


意識が薄くなる

眠たいという感情と似ているかもしれない


現実を見ながらも、意識は別のところにいっている


虚ろな夢

白昼夢みたく、現実と夢を行ったり来たり


寝たいのに、睡眠を妨げる人がいた


寝たいのに、眠りたくないという欲求があった