ヤンデレ彼氏に監禁されて

信じられた、と胸をなで下ろす


先ほどの緊張感が嘘のようだ


ただ、彼が『いつも』に戻っただけのことなのに


「好きなままですよ。変わりません……」


「聞くのも野暮だったね。俺たちの絆――愛し合う気持ちは崩れないのに。

――俺ね、不安だったんだ」


「不安……?」


「そう。だって彩芭、綺麗だろう。綺麗すぎるものは周りを惑わす。

月を見ててさ、不思議と目が離せなくなる時、経験したことない?

あれと同じく、彩芭には魅力、魅惑があるんだ。

俺は、雲。月(さいは)を隠す為――守る俺がいなくなった一年間。彩芭、他の奴らに拐かされたんじゃないかって不安だった。


そうして、彩芭もその誘いに乗って。消えた雲(おれ)を嫌った、って想像したんだ」