お得意の、彼持論


怒っている様子がなくて安心したけど、どうも納得しかねる


腑に落ちなさそうな顔をしていた為か、彼はまた謝っていた


「確かに、彩芭の壊して、俺が持っているのは……面白くはないよね。

――分かった、俺のも壊すから」


と、惜しげもなく、ケータイを折ろうとする彼


「壊したらもう、餓死決定だけど……『一緒』なら、いいよね」


「ま、待って下さい!」


折る直前、全力で彼を止めた


確かに、あれが無くなれば困る


唯一の通信手段だし、あれでこの食材を頼むなら、無くなったと同時に餓死決定


ギリギリのところで、ケータイ折りは未遂で終わった


「いいの?折らなくて」


「いいです、やらないで」