(六)
瞼を開けても、周りは暗いままだった
起きるなり、こほっ、と咳をする
意識が、重い
自分がついさっきまで眠っていたなんて、虚ろ虚ろな頭で把握した
どんよりとした、寝起き特有の気分で上体を上げようと……出来なかった
彼の腕が、私の体に乗っている
抱き枕にでもなった気分だ
「…………」
じっ、とその人を観察する
寝ている、のかな
目を瞑って、寝息も聞こえる
一見したら、熟睡しているようだけど、世の中、狸寝入りなんて言葉があるから油断ならない
確認する為、彼の体――胸元に手を当てた
首まできちんと閉まっていない、シャツの隙間に手を潜り込ませる
それで、入れた手でくすぐるようになぞった


