ニーナとクレアの両親は、病気で亡くなったと聞いた。


まだ幼い二人を引き取ってくれる身内はいなかった為、二人は宛もなくさまよった。


そこで、この小さな島に辿り着いたらしい。



…両親を失った悲しみを、彼女たちは知っている。


だからこそ、生きる為に目標を必要としている気持ちが…悲しいくらいに分かった。


「………」


瞳を、静かに閉じた。


俺のこの一言で、彼女たちの運命が変わる。


それがいい方向へいくのか、悪い方向へいくのかはわからない。



…でも。


再び目を開いた時、俺の瞳に映ったのは、彼女たちの"覚悟"だった。



「―――分かった」



俺がそう答えると、一瞬の沈黙。

そして、


「…やったぁ!ありがとうゼン!」


ニーナが歓喜の声を上げ、俺に抱きついてきた。


「…ちょ、」


ふと、クレアと視線が絡む。