自分が見られている事に気付きもしてないはひたすら笑顔で挨拶周りをしていた。
自分自身の維持とプライド…
父と母の前では、せめていつもいい娘でいたい…―。
そんな気持ちで脳裏はいっぱいだった。
長い裾の真っ赤なドレス
高いヒール…
(歩きづらい…)
足に負担がかかるのはわかってはいたが、まさかここまでとは…―。
それでも疲れた顔を見せてはいけない。
あたしは世界トップの朝倉財閥の娘。
こんなんじゃへこたれない。
へこたれてはいけない。
…頑張ろう。
自分の立場と自分自身のために、強くならなきゃ。
ふと、昔の自分の言葉を思いだした。
幼いころの決心だった…―