「ごめんね、ひろ君」


「春菜が謝ることじゃないだろ?」


「でもうちの親、いっつも突然で」


「それはお互い様」


そう言って、ひろ君は私の髪をなでた。


「荷物運んじゃうから」


「いいよ。自分で」


「疲れるから、春菜はやらなくていい」


結局、私には選ぶ権利もなくて。


ひろ君が一人暮らししてるマンションに住まわせてもらうことになった。


「春菜、早く中入る」


「は~い」


「風邪引いたらどうすんの?」


「こんなに暖かいのに、引くわけないでしょ。心配しすぎ」


「あのなぁ、俺には春菜預かってる義務と責任があるの」