悔しく情けなくて、握りこぶしを固く握る。 窓には大粒の雫が大量に落ちていた。 「だから、男子の方はタクくんにお任せしますね」 「……え?」 顔をあげると、口角を上げて微笑む先生が視界に写った。 「私はこう見えてもがめつい人間でしてね。男子と女子両方から出したいんですよ」 女子はミューさん、男子はタクくんを。 最後に付け加えた言葉に、爆弾クラスの衝撃を受けた。 男子はタクくんって、それってつまり……。 俺に期待しているってこと? 「あの先生―――」 「先生! 死なないで!」