「なんだよ急に? まあ二連覇したらなんか買ってやるよ」 「ほんと!? じゃあ私もタクちゃんが世界選手権で優勝したらお祝いしてあげる。土地でも物件でもなんでもいいからねっ」 「絶対俺が優勝しないと思ってるな?」 「思ってないよ。だって全日本三位の一流選手だもん」 「うわー、めっちゃ嫌味に聞こえる」 しんしんと雪が降る。 外気に晒したお互いの片手はとても冷たくて。 とても温かかった。 【氷の女王に愛の手を】