昨シーズンの俺は世界ジュニア選手権で銅メダルをとったので、開催国の特別推薦によって二大会出場することができ、今回はアメリカ大会とカナダ大会の出場が叶った。


なぜ自国開催であるNHK杯に出場できなかったというと、開催国の特別推薦はシニアに転向したばかりの有望なジュニア選手や、自国開催のメンツを保つために有力選手をあてがわれることが多く、


今回は世界ジュニアで金メダルをとった大介と、銅メダルをとった羽生さんがその枠に収まり、残りの一枠には世界選手権銅メダリストである大塚選手が掴みとったので三枠は全て埋まってしまったのだ。


出場資格がかなり細々となっているが、結果的に世界選手権上位選手とシーズンベストスコア24位までの選手ならば、二大会が十分割り当てられるいうわけだ。


運よくベストスコアで24位以内にいたため、こうして二大会に出場できるようになったのだが。


「ッ! 痛った……」


いまだに四回転は未完成のままだ。


練習では五割の確率で降りているが、とてもじゃないが実戦で取り入れる状態ではない。


練習で120%跳べなければ本番で跳ぶことができないと言われるぐらい、練習と試合では雰囲気も緊張感も全く異なる。