彼×彼女の恋事情

そして私とランジロー君は店を出た。

あの人変なおじいさんだったけど、今私は心底感謝している。

私に素敵な出会いを、しかもこんなかっこいい人との出会いをくれたんだもん。

ありがとう、おじいさん。

最後に一度、出会いをくれたおじいさんのいた店を見ようと振り向いた。

「…………ない」

見た光景に呆然と呟く。

「へ? 何がないの香奈ちゃ……えぇっ!?」

私の後に続いて振り返ったランジロー君も驚いて声を上げた。
さっきまで私たちの居たお店がなくなっている。あのおじいさんももちろん居ない。

もしかしたらもしかして、実はやっぱり魔法使いだったのかな。

突然消えた店とおじいさん。双方に疑問を持ちながらも、ランジロー君と出会えたことは夢ではない。そのことに感謝した。


こうして私は今日、念願だった彼氏ができた。おかしな出会い方で、おかしな付き合い方にはなったけど、彼と付き合うということは事実であり現実だ。


それがとてつもなく嬉しすぎて、今日の夜はしばらく眠れそうになかった。