台所まで来ると、途中で買ってきた食材を乱暴にビニール袋から取り出し始める。


「ゆ、ユキ…?なんか、怒ってる…?」


おずおずと聞いてくる姿は、まるで飼い主に甘えてくる子犬のようだ。


一気にムッとしてた気持ちが消えていく。


…ほんと、荘司はずるい。


「怒ってないよ。…ただ、ちょっと淋しかっただけ」


わたしが微笑むと、荘司は不意に唇を寄せてきた。


…軽く、合わせるだけのキスをすると、荘司はじっとわたしを見つめる。


「…あんまりカワイイこと言われると、我慢できなくなるから…」


そう呟くと自分で言って照れたようで、後ろを向いて冷蔵庫から飲み物を取り出し始めた。


…うまくごまかしたつもりみたいだけど、耳たぶが赤いので台なしだ。


わたしは気付かれないようにそっと笑った。