文学乙女

ようやく休みに入ったことにホッとしがちで、あたしはぼんやりと外の景色を眺めている。





今は夜で、二度目のバイトメンバーとの食事会の真っ最中だ。





メグから連絡来た時、あたしは行かないと頑なに断わった。





猪原たちにボロクソ言われたことがトラウマになって、正直誰とも会いたくなかった。





けど、お構い無しに大丈夫だからと言われ、結局無理矢理連れてこられたのである。





「秀佳……秀佳っ!」





メグに腕を叩かれ、あたしはハッとする。





「えっ、何?」





「何じゃないわよ。どうしたのよ、さっきからボーッとして」





「いやぁ、別に……」





あたしは何事もないように言う。





食べかけのチョコバナナパフェを食べつつ、どういうわけか、ついついぼんやりしてしまうのだ。





「また本のキャラクターのことでも考えてんのか?」




榊さんがからかうように聞いてきた。





あたしは榊さんを横目で見る。





「ご想像に任せます」





一言だけ言い返した後、あたしは視線を外の景色に戻した。





言わせておけばいい。





そう思ったからである。