昨日からずっと緩みっぱなしだった涙腺。

じわぁ……って目の縁が熱くなる。

油断したら、また涙が零れそうになった。


「ああっ。もぉ……」


立ち上がって、ふらふらと教室の一番後ろまでいく。


壁に背中をもたれさせて、ずるずるとそのまま床に座った。


両手で膝を抱える。

――よし。泣く準備は整った。


顔を膝に埋めようとしたその時……。



――ガラッ


「ごめんっ。サクラ! 寝坊した!」